調査に際し、まず底泥の重金属類のモニタリングを実施した(図)。なお、試料採取に際して、一部の地域では、ガレキ除去後の地点でコアサンプルの収集を行った(写真)。
その結果、気仙沼市〜石巻市にかけて、いずれの地区でも重金属類の汚染はないことが示された。
例外として、赤牛海岸河口部で高濃度のヒ素が確認されたものの(下部写真)、この地点は事前にヒ素汚染の可能性が高いことがわかっており、自治体も飲料水などの手配を実施済であり、ヒ素曝露に伴う健康影響はないものと考えられた。なお、赤牛川上流には宮城県大谷鉱山(廃鉱)があり、震災後に鉱山より鉱滓が流出したためと推測されている。
なお、並行的にCALUX法(ダイオキシン類簡易法)によって、ダイオキシン類汚染のスクリーニングを行った結果、基準値以下であったので、詳細分析(HRGC/HRMS法)には至らなかった。
写真.宮城県大谷鉱山(廃鉱)の赤牛川河口部(河口そのものは河口閉塞)における調査の様子。我々の調査前よりすでにヒ素汚染が報告されていたが、今回の調査でもヒ素が検出された。震災後に鉱山より鉱滓が流出したためと推測されている。